JR総武線の新小岩駅を南口に出ると、駅前から商店街が放射状に伸びていく。新小岩末広商店街と新小岩商交会が交わる交差点の近く、道に三角形に切り取られた角地にコスモプラザビルが立つ。1階は中華レストラン「胡弓」。その2階の窓が深い緑に彩られているのが、この6月に開いた「天ぷらと酒肴 深綠栽(しんりょくさい)」だ。公式Instagramのプロフィールでは、南口から徒歩2分と案内されている。

裏路地の和食店「うつつ川」から

号外NET葛飾区の記事によると、この店は江戸川区のルミエール商店街付近にあった和食店「酒肴会席 うつつ川」が、移転休業を経て場所と店名を改め、再出発したものだという。うつつ川は表看板を出さない裏路地の店で、全国から取り寄せた旬の素材を使う酒肴会席の店だったと、同店のサイトを手がけた制作者の実績ページにある。オーナーはもともと和食の料理人で、新小岩の小松通り商店街にあるラーメン店「仙臺自家製麺こいけ屋 分店 綠栽」も営んでいる。仙台に本店を置くこいけ屋の分店として、2022年に開いた店だ。

「深緑栽」の名は、2024年の時点でこのラーメン店の夜営業、和酒場の名として使われていたと、個人ブログに記録が残る。公式Instagramもうつつ川の時代から同じアカウントで続いており、移転休業中の2025年9月には、ラーメン屋で働いているという近況とともに、年末のおせちを綠栽で作ると告知していた。うつつ川、綠栽、そして深綠栽。同じ主が手がけた三つの店は、いずれも新小岩駅南口の徒歩圏に集まっている。

写真 新小岩駅南口側、三角形の角地に立つコスモプラザビル。深緑色に彩られた2階の窓を、交差点の向かいから通りの流れごと
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公式Instagramより

昼は天丼と中華そば、夜は天ぷらを肴に

開店の告知投稿によれば、昼と夜で顔が変わる二毛作の店だという。昼は天丼と、川俣シャモを使った中華そば。天丼と小さめの中華そばを組み合わせたセットが店のおすすめで、麺は細麺と中太麺から選び、食券機で購入する方式とのこと。夜は揚げたての天ぷらと和食、魚料理を肴に日本酒を楽しむ居酒屋になる。店内は木目調で、板前の目の前に据えたカウンター席とテーブル席があると、新小岩駅前マガジンと号外NETの記事は伝えている。

6月11日から14日のプレオープンを経て、16日にグランドオープンした。その16日と17日の昼には、宮城の兄弟店であるこいけ屋本店の店主が、祝いの五葉松の盆栽を携えて手伝いに来たと、公式Instagramの投稿にある。この2階には以前、肉屋直営の「鉄板KEIJI」が入っていた。

写真 2階へ上がる和の風情のエントランス。暖簾や店名の表示、深緑の色が画面に入るように

行き方は、新小岩駅南口を出て駅前の商店街の交差点へ向かい、三角形の角地のビルを目印にすればよい。営業時間や定休日、昼夜それぞれの献立は変わることがあるため、最新の案内は公式Instagram(@shinryokusai)と公式X(@shin_ryokusai)で確かめてから訪ねてほしい。看板を出さずに路地裏で続けた店が、駅前の角地で緑の窓を掲げた。新小岩の南口には、そういう店の移り方がある。