東京メトロ千代田線か京成本線で町屋駅へ。改札を出れば、都電荒川線の町屋駅前停留場はすぐ隣にある。荒川区の公式サイトによると、ここは都電・千代田線・京成本線の3路線が交わる地点だという。商業施設の入った高層ビルがあり、尾竹橋通り沿いには商店街が続く。乗り換えの人が行き交うこの駅前で、線路沿いのバラを見ていく人もいる。
◆「稲荷前」から「町屋駅前」へ
荒川線は三ノ輪橋から早稲田までの12.2kmを走り、停留場は30か所。そのうち三ノ輪橋から荒川車庫前までの13か所が荒川区内にある。始まりは、王子電気軌道が敷いた路線を東京市が買い取ったことだという。1974年10月1日に27系統と32系統がひとつにまとまり、「荒川線」と呼ばれるようになった。2017年4月28日には、外国人観光客にもわかりやすい名前として、投票で「東京さくらトラム」という愛称が決まった。町屋駅前停留場は「稲荷前」の名前で開業し、戦後に「町屋一丁目」、1977年に今の名前になったという。停留場ができたきっかけの一つは地域住民の要望だった。開業年は資料によって異なり、東京都交通局のサイトは1927年7月、Wikipediaは1913年としている。
◆線路沿いのバラを見て歩く
荒川区は、区内を走る約4.8kmのうち、植えられる場所のある約4kmに約140種のバラを植えているという。この取り組みは、平成17年度の「花の観光地づくり大賞」で大賞を受けた。町屋駅前では、線路沿いにツルバラ、広場にはハイブリッドティー系の大輪のバラが植えられている。品種「ピース」を集めた「平和のバラ」のコーナーもある。まず広場で花の名札を見てまわり、それから線路沿いを歩いて、ツルバラ越しに電車を一本見送る。そんな順番で歩いてみてはどうだろう。
見頃は春と秋の年2回。春の時期は区の資料によって書き方が違い、観光ページでは5月中旬から6月上旬、FAQでは5月上旬から下旬となっている。秋は10月中旬から11月上旬だという。毎年5月下旬には、停留場の近くで「あらかわバラの市」が開かれる。開花状況はボランティア団体「荒川バラの会」の公式Facebookで、運行時刻や運賃は東京都交通局の公式サイトで確認を。
◆帰り道の楽しみ
停留場から歩いて3分ほどのところに原稲荷神社がある。創建については、建武2(1335)年より前とする説と、家康の江戸入府とともに移り住んだ三河国の農民が建てたとする説があるという。さらに4分ほど歩くと町屋の一本松跡。江戸時代に町屋村と三河島村の境にあったと伝わる松は戦災で枯れ、植え替えられた二代目が「一本松グリーンスポット」に立っている。最後は尾竹橋通りの商店街を歩いて駅へ戻る。